◇インプラントは通常の歯の治療と違い歯の無い所に処置するので、シミュレーションは必須。
◇ただ骨のある所に埋入するのではなく、上に被せる歯(上部構造物)を考えての位置決めが必要。
◇CT画像だけでは正確な手術イメージがつかめない。
シミュレーションソフトを使いCTデータを立体化し、下顎にある神経管(下顎管)や上顎にある空洞(上顎洞)に色付けをし、はっきりと表示することで埋入するインプラントの位置、角度、長さを決めることができる。さらに、骨の量が少なく骨造成をする場合にも、あとどれだけ骨量を増やさなければならないかを診断することが出来る。
従来のシミュレーションソフトでは垂直な断面画像1コマづつずらして診断していました。
しかし、歯とは顎の骨に沿ってそれぞれ違う角度で生えているものです。もちろん、インプラント体を埋入する時もそれは当てはまります。
つまり、角度をつけて埋入されたインプラント体を垂直な断面画像で見ると、斜め切りにされたような画像になってしまうのです。これでは隣在歯との相関や神経管までの正確な診断ができません。それを解消したのがこのインプラント断面による診断です。
インプラント断面
インプラント体の長軸に沿った断面に
より正確な位置関係を把握。
断面を回転させることでインプラント
体周囲の状況も一目瞭然。
歯列弓に垂直な従来の断面
傾斜埋入(角度をつけてインプラントを
入れること)の場合、インプラント体が
斜め切りになり正確な位置関係が把握
しづらい。
CTデータにはCT値という骨密度(密度が高いほど硬い骨)の数値が入っています。この数値をサーモグラフィーのように表示させることにより骨質の良い位置へのインプラント埋入シミュレーションが可能です。
金属アーティファクト(被せ物や土台などに使用している金属はX線の透過が少ないため、周囲の画像が乱れてしまうこと)を細かいところまで除去できるので、くっきりときた3Dイメージで診断することが可能です。さらに模型データなどを組み合わせると右図のような鮮明なものになります。
従来のソフトではサーフェスレンダリングといい下図一番左のように骨の状態しか表示することが不可能だったが、ソフト・パソコンの進歩により骨・歯・皮膚の摘出範囲が変更可能(ボリュームレンダリング)になり、下図のように表示することが可能になった。これにより、患者様にも分かりやすいインフォームドコンセプトができるようになりました。
精密なシミュレーションが終わったら後はインプラントの埋入となります。通常は熟練の医師が目視にて施術するのですが、「埋入位置が見えづらい」「隣在歯との距離がとても近い」「埋入する角度が難しい」など、熟練の医師でもシミュレーション通りに行うことが難しい場合もあります。
そのような時に使うのが
『サージガイド』
です。サージガイドとは患者様のCTデータ、シミュレーションデータ、模型を元に作るマウスピース型のドリリングサポートガイドです。インプラントを埋入する位置に穴が開いており、歯牙や骨に固定することにより正確なドリリング(穴あけ)が可能です。ドリルにはストッパーが付いており、穴の部分にはチタン製のフレームがはめ込まれているので、深さや角度を間違えることもありません。
※治療の流れ(上図)
@サージガイドを固定
Aドリルサイズに合わせたチタンフレームを取り付け
Bストッパー付きのドリルでドリリング
サージガイドは口腔内の状態により
左図のように
「骨支持タイプ」
「粘膜支持タイプ」
「歯牙支持タイプ」
があります。
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